キツい・汚い・危険ってほんと?工場現場の実際の環境ってどんな感じ?

みなさんは工場の作業現場というと、どのような所をイメージするでしょうか?

製造現場で働いた経験のない人なら、だいたい次のような環境を思い浮かべるかもしれませんね。

・暑い・寒い
・汚い
・臭い
・うるさい
・きつい

しかし実際の工場現場というのは、製造する製品によって、その作業環境は多種多様です。

大きな建屋がいくつも軒を並べているような大規模工場もあれば、一見すると外からは普通のオフィスビルのように見える工場もあります。

扱う製品によって、作業現場の衛生状態に非常に気を使っている場合もありますし、室内の温度設定が厳格に定められている場合もあります。

派遣会社が登録スタッフへ紹介できる求人も、その時々のタイミングによって色々ですので、一括りに「工場とはこんな現場です」と説明するのはなかなか難しいです。

そこで、このページではいくつかの特徴的な工場現場を紹介してみます。

また、個人的におすすめだと思う工場も後半に紹介しておりますので、初心者の方は仕事を選ぶ上での参考にしてみてください。

自動車工場

自動車工場には〈プレス-溶接-塗装-組み立て-検査〉などの作業工程があります。

〈プレス-溶接-塗装〉の工程は、いかにも暑そう・臭そうといったイメージがされる作業ですが、しかしこのあたりの工程はほとんどが機械で自動化されているので、派遣スタッフがその部署へ配属されることはあまりないでしょう。

無資格・未経験の派遣スタッフは〈組み立て〉〈検査〉の工程へ配属されることが多いです。

組み立て工程

作業時間内はコンベアラインやロボットアームの稼働する音がしますが、轟音というほどではありません。
ただ従事する作業内容によっては、耳栓の着用を義務付けられることもあります。

ライン作業が中心となりますので、一定の作業スピードが必要になります。
ラインから外れた場所での組み立て作業もありますが、そこで作るのも自動車のパーツの一部ですので、やはりライン作業の流れに合わせたスピードが必要となります。

冷暖房設備はあるものの、作業する建屋内は広くて天井も高いので、あまり快適な室温の作業環境とは言いがたいです。

常に体を動かしている上に、安全のための手袋の着用、場合によっては長袖の作業着の着用が義務付けられているので、特に夏場の暑さは厳しいものがあります。

冬場は逆に暖房の効きが悪く、建物内は寒くなります。
作業が始まれば体は徐々に温まってきますが、冷え性の人は手指や足先がよく動くように、作業前に入念に準備体操をしておきましょう。

検査工程

検査工程は他の工程よりも、比較的に身体的負担が少ない作業と言えます。
従業員の間では、自動車工場で検査工程へ配属されれば“アタリ”といった認識です。

作業内容としては、溶接後・塗装後の目視点検や手触点検などがあります。

こちらも組み立て工程と同様、ライン作業が中心となりますので、やはり一定の作業スピードが必要です。
身体的負担が少ないとはいえ、車体をくまなく点検するので、中腰になったり見上げたりという姿勢を繰り返し取ることになります。

塗装後の検査では蛍光灯に囲まれた空間で車体を目視する点検もありますが、人によってはこれが目に負担を与えるようです。
中には「眩しすぎて目が疲れる」という言う人もいます。

自動車工場の仕事、、いわゆる“期間工”は、高待遇だけど「きつい」仕事として有名ですよね。
どんなふうに仕事がきついのか、興味のある人はこちらのページを参考にしてください。
経験者が語る期間工がきつい理由!

金属加工工場

最近の金属加工工場では、マシニングセンタやNC旋盤などの、大型の機械が導入されているところがほとんどだと思います。

作業中はマシンの稼働音や切削音が工場内で鳴り響きます。

これらの大型機械が何台も稼働していると、機械の発する熱で工場内の空気がとても暑くなります。
夏場の冷房が稼働している状態でも、マシン付近では機械熱からの暑さのほうが上回ってしまうほどなので、現場によってはスポットクーラーを使用して対応しています。

機械で金属を加工する際には切削油を使用しますが、その切削油の飛沫が飛び散っているためか、工場全体に油の匂いが漂っています。
また、メッキ加工をしている現場ですと特有の加工臭があり、慣れない人にはキツく感じるかもしれません。

金属加工の現場ではメインの工作は機械が行いますが、扱う製品が金属ですので、材料の補充・成型後のバリ取り・製品の運搬など、基本的に重量物を持ち上げる作業が多くなります。

倉庫作業

倉庫作業には〈荷受け・ピッキング・梱包・ラベル貼り・出荷〉などの仕事があります。

現場の規模によっては業務が細分化されていたり、逆に複数の業務を兼任したりと色々です。

最近では、倉庫内にも冷暖房が完備されているところが増えてきています。
しかし、出入り口のシャッターが大きいことや頻繁に荷物が出入りすることなどから、外気が入りやすく屋外の気温とあまり大差のない環境の場合も多いです。

搬入・搬出

荷物の搬入・搬出作業は腕力が必要とされるイメージがあるかもしれませんが、実際にはフォークリフトやハンドリフトを使用する場合がほとんどです。

外に停まっているトラックから荷下ろししたり積み込んだりするので、必然的に屋外と倉庫内を行き来することが多く、寒暖などにさらされやすい作業ポジションになります。

荷受け

荷受けは外部から運ばれてきた荷物を受け入れる仕事で、現場によっては他社の業者さんとやり取りをすることもあります。

事務手続きやPC入力作業だけを行うこともあれば、受け入れ先ごとに荷物を仕分ける作業も合わせて行うこともあります。

倉庫の入り口付近での作業が多いので、夏場は暑く冬場は寒いといった環境の傾向が高いです。

ピッキング

ピッキングは指示書の内容に従って、指定されている商品を倉庫の中からピックアップしていく仕事です。

運搬には台車などを使用しますが、商品のサイズや重さによっては、取り出しに力が必要になります。

広い倉庫内を歩いて回るので、夏場は冷房が設備されている環境でも作業中は暑くなるかもしれません。
逆に冬場は、特に広大な倉庫内ではエアコンの効きが悪いですので、場合によっては防寒対策が必要になります。

ただ、倉庫の広さや温度設定などについては、工場の規模や扱っている製品によってバラバラですので、具体的な環境については応募の段階で質問してみるのがいいでしょう。

梱包

現場の規模によっては、ベルトコンベアに乗って流れてくる商品を箱詰めする流れ作業になります。そうでない場合は、台車で運ばれてきた商品を作業台の上に乗せ換えて、そこで梱包することになります。

ベルトコンベア形式のほうが作業台へ乗せかえる手間や労力は必要ありませんが、逆に作業には一定のスピードが必要になります。

ラベル貼り

出来上がった製品には、品質表示シールやブランドロゴ、バーコードなどを貼り付けます。

ラベル貼りは梱包作業の流れで一緒に行うものもあれば、倉庫に整然と積まれた梱包済みの段ボール箱にまとめてラベルを貼付していく作業もあります。

商品本体に貼り付けるラベルについては、特に丁寧な作業性が求められます。
やり方を覚えて手順さえ間違わなければ作業自体は単純なものですが、スピードと正確性が求められる仕事です。

!重量負担は扱う商品次第

倉庫作業は担当する作業によってはそれほど力が必要でない場合もありますが、基本的に荷物を動かす仕事ですので、要所要所でどうしても力仕事を避けられない場面があります。

台車に商品を移し替える作業ひとつでも、一日に何度も繰り返すとなると、それなりの労力になります。

取り扱う荷物の重量は中に入っている商品によって変わってきます。
例えば中に入っているのがポテトチップスか缶ジュースかでは、一個あたりの段ボール箱の重さは大きく異なります。

扱う品によって作業時の身体的負担が左右されるので、応募先がどのような製品を扱っている企業なのかは事前にチェックしておくのがいいでしょう。

食品工場

食品工場では、製品の品質管理のために温度・湿度の調整が徹底されています。

衛生管理がされているので、汚いのが苦手な人に向いているように思われますが、工程によっては食材のカッティングなどで汁や匂いが飛び散りますので、配属先の部署などは事前にチェックしておきましょう。

温湿度管理

食品工場では製品の品質に配慮して室温が低めに設定されているので、夏場は特に屋外との温度差が大きくなります。
冷凍食品工場だと当然、温度設定はかなり低めになります。

ただ、いずれの食品工場でも作業工程によって室温設定が異なりますので、どのような作業環境になるのかは配属先次第になります。

ライン作業

ある程度の規模がある工場ですと、ベルトコンベアでのライン作業が取り入れられているところが多いです。

食品工場というと、ライン作業でお弁当のトレーに延々とおかずを詰め込んでいくイメージがあるかもしれません。
しかし、製造している商品や工程によっては、延々と製品に痛みが無いかを検品したり、延々と製品の向きを整えたりする作業もあります。

慣れるまではラインのスピードに付いていくのが大変だと思いますが、慣れれば基本的に単調な作業が続きますので、集中力が必要ですし、睡魔は敵です。

クリーンルーム

工程にもよりますが、食品工場での仕事は基本的にクリーンルーム内での作業になります。

製品の品質管理のために、クリーンルーム内は雑菌やゴミなどをできるだけ排除した空間に保たれます。

作業員はクリーンルームの入り口でクリーンウェアを着用して、粘着シートやエアシャワーなどで自身に付着しているホコリやチリを取り除いてから入室します。

クリーンルームの詳しい説明はこちらをご覧ください

力仕事が少ないので、製造系の中でも女性が参入しやすい仕事ですが、室温・匂い・ライン作業、立ち仕事などの諸要素から、それほど楽な仕事とは言えないかもしれません。

半導体工場

半導体とは、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」の中間の性質を備えた物質です。

仕事に応募するにあたって半導体が何であるのかを詳しく知る必要はありませんが、精密部品であることは知っておきましょう。

超精密部品

半導体は製造するにあたって厳しい精度が求められます。
製造工程の現場でホコリやチリなどの異物の混入があると製品の不良の原因となりますので、基本的に製造作業はクリーンルーム内となります。

クリーンルームの詳しい説明はこちらをご覧ください

機械化された現場

製造工程には〈加工・組み立て・検査〉などの工程があります。

最近では多くの工程が機械化されているので、作業自体に専門知識は必要なく、手順さえ覚えれば誰にでもできる仕事が大半です。

温度・湿度の管理されたクリーンルーム内での作業で、製品のサイズも小さいものですので、女性でも働きやすくて人気のある仕事です。

次の項目「おすすめはこんな工場!」の内容と被りますが、半導体工場は清潔で適温、作業も簡単なものが多いですので、かなりおすすめの仕事ですよ。

化粧は禁止?!

半導体工場は女性にも人気のある仕事です。
ただ製品の性質上、微細な異物の混入にも気をつかいますので、職場に化粧をしてくることが禁止されている場合があります。

これはもちろん、化粧品の剥落によって異物が混入するのを防ぐことを目的とした規則です。
職場によっては“化粧可”や“クリーム状の化粧品なら使用可”というところもありますので、仕事に興味のある人は応募先の条件をきちんと確認しておきましょう。

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おすすめはこんな工場!

ここまで読んでもらうと、「工場勤務ってやっぱり大変そう!」と思う人もいるかもしれませんが、工場には上にあげた例以外にも様々な現場があります。
もちろん、女性や未経験者でも働きやすい工場はたくさんあります。

それでは働きやすい工場とは、一体どういったところなのでしょうか?

ずばりおすすめするのは、

★ 精密機器
★ 小型家電
★ 小型住宅機器

などの製造工場です。

特に精密機器や電子機器を扱う工場では、サビや静電気の発生を防ぐためにも適切な温度と湿度の設定がされているので、人にとっても快適な作業環境であることが多いです。

つまり、「夏は涼しくて冬は暖かい」というような環境です。
まあ、一般的なオフィス空間のような温度設定をイメージしてもらえれば分かりやすいと思います。

製品が半導体などの超精密機器でない場合は、クリーンルームなどの特殊な環境での作業も必要ないケースが多いです。

規模の大きな工場になると機械の導入や作業の細分化がされているので、覚えることもそれほど多くなく、作業負担も少ない傾向にあります。

大きな機械を必要としない工程を担う工場の場合は、現場の建物も小規模ですっきりとしていて、一見すると外観からは「工場」と分からないこともあります。
特に新しく立ち上がったばかりの工場は、トイレや休憩室もきれいなのでおすすめですよ。

現代社会には、家電や精密機器が生活の様々な場面で使われているので、そういった製品を作っている工場はたくさんあります。

試しに工場系のお仕事サイトなどで検索してみると、色々な求人が見つかると思いますよ。

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最近の工場はきれいな傾向に

昔の工場はいかにも「汚い」「危険」といったところも少なくありませんでしたが、しかし、最近の工場はどんどんと「きれい」で「安全」な現場へと様変わりしていっています。

安全規則・労働安全衛生法

工場などでは、どこの企業でも必ず安全規則というものがあります。
過去に発生した事故や過失・労災などの事例を鑑みて、より安全で安心な職場にしようと各企業が改善を重ね続けた結果に設けられている規則です。

派遣社員でも現場に配属された初日には「安全規則手帳」のようなものを渡されますので、一度目を通しておいてくださいね。

また日本には労働安全衛生法という法律があります。

~事業者は労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境を作らなければならない~

といった内容を謳っており、義務を怠った事業者には罰則が科せられます。

このような法律の存在もあり、労働環境における暑熱や寒冷、粉塵などの悪環境は日々改善の傾向にあります。

…ところで、こういった職場環境やコンプライアンスについては、大手企業のほうが、より厳格な傾向にあります。

ですので、初心者で工場勤務が不安という人には、大手企業に応募することをおすすめしています。
気になる人は、こちらのページもチェックしてみてください。
工場初心者におすすめするのは大手派遣会社と大手派遣先!理由も解説!

5Sの徹底

工場に勤務した経験のある人なら「3S」「5S」といった用語を聞いたことがあるでしょう。

「5S」の5つのSとは、

整理・整頓・清潔・清掃・躾

のアルファベットの頭文字から名付けられています。

最近ではどこの工場に行っても(特に大手企業)「5S」の張り紙を見かけますので、それほど工場の環境改善にどこの企業も力を入れているということなのでしょう。

「5S」は労働環境の改善という目的もありますが、その他にも作業効率の向上、不良品や異物混入の発生などを防ぐ効果もあります。
日本の購入者は特に高品質な商品を求める傾向が高いですので、職場の整理整頓はとても理にかなった取り組みです。

5Sを実践している企業の例として、分かりやすいのがトヨタの工場です。
トヨタ自動車は日本屈指の大企業ですが、トヨタが行っている現場管理の方法は、他の大企業の工場でも取り入れられていることで有名です。

こちらからトヨタ工場の様子が見れますが、とてもきれいな作業現場ですよね。世界の工場 トヨタ 

トヨタは自動車工場ですが、私はトヨタの手法を取り入れている他社の精密機器メーカーで働いていたことがあります。
やはり工場内はとてもきれいでしたし、精密機器工場ということもあって、室内温度は一年中25℃前後、扱う製品も小さくて軽いので、とても快適な作業環境でした。

そしてまた、5Sは対外的な部分でも、とても有益な取り組みです。

ある程度の規模の企業ですと、製造現場に取引先企業の担当者が(時には一般人も)工場見学にやって来ることがあります。
自社で取り扱う商品がどのような環境で造られているのか、信頼できる品質なのか、それらを見極めるために来訪するわけです。

そういった外部からの目もあり、日本の工場の労働環境は日々、安全で快適なものへと変わっていっています。

 

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