経験者が語る期間工がきつい理由!高収入じゃなきゃ続けらんない!

自動車工場の期間工は、工場仕事の中でも特にきついと言われていますが、実際に期間工を経験したことがない人にとっては、具体的に何がきついのかよく分かりませんよね。

仕事がきつい理由は複数ありますが、特に大きな要因としては、製品(車体)が大きいために作業に体力や腕力が必要なこと、そしてライン作業のスピードが速いことが挙げられます。

他にも諸々きつい理由がありますが、それらをこれから順番に説明していきますね。

期間工は給料に関しては好待遇な半面、仕事内容はハードですが、個人的には体力と根性があればできる仕事だと思ってます。
この記事を最後まで読み終えた後で、実際にやってみるかどうかを判断するのはあなた次第ですよ。

作業で取り扱う部品が大きい

作業で取り扱う全ての部品が大きいわけではありませんが、しかし自動車に取り付ける部品なので全体的に大きい傾向にあります。

そして部品が大きければ重量も重いですし、部品を取り付ける際に必要な力の値も大きくなります。

つまり、ひとつひとつの作業で生じる体への負担が大きいということです。

配属先によって受け持つ作業はそれぞれ異なりますので、きつい持ち場を避けられるかどうかは運に賭けるしかありません。(※配属先はガチャです。)

ちなみに車体や大きな部品を持ち上げたり動かしたりする際には、機械による補助がありますので安心してください。

ラインのスピードが速い

自動車工場では作業員が製品1台あたりの作業に掛ける時間が決められており、これをタクトタイム(サイクルタイム)と呼びます。

そして各作業にも標準作業時間が規定されており、それをもとにタクトタイム内にどの作業をどれくらい入れるのかが決められます。

例えば、

• A部品の取り付け(25秒)
• B部品のボルト締め(30秒)

という作業があったとします。

もしもタクトタイムが120秒だとすると、その時間内にA部品2個の取り付け+B部品2個のボルト締めの作業が入れられるわけです。

たいていの場合、タクトタイム内にギチギチに作業が詰め込まれますので、作業時間に余裕はありません。

ミスをすれば当然、作業の遅れにつながります。
ラインは容赦なく流れ続けますので、疲れたからといって手を休めるわけにもいきません。

「ライン作業がきつい」といわれるのには、このような事情があるからです。

タクトタイムの設定は各工場によって異なりますし、生産時期によっても変動します。
作業内容が減ればタクトタイムは短くなり、タクトタイムが長くなれば作業内容は増えます。
どちらに変わったところできついですよね。

同じ作業の繰り返しで体を痛める

たまに作業の配置換えなどがありますが、基本的には1人が受け持つ作業内容は固定されています。
そして工場では1日を通して、何台もの車が生産されていきます。

つまり1日の生産台数が200台なら、200回同じ作業を繰り返すわけです。

こうした同じ作業の繰り返しは、作業内容や個人の腕力の違いなどによっては、体の特定の箇所を痛めることにもつながります。

作業によっては、上を向いたまま行うものや腰を落とした状態で行うものもあります。
こうした態勢もまた、体の特定の部位を痛める原因になります。

単純作業で頭がおかしくなる

同じ作業の繰り返しは体を痛める原因にもなりますが、肉体だけではなく、精神面でも苦痛を与えてきます。

単純作業は時間の経過を遅く感じさせます。

ただでさえ仕事が大変な上に時間がなかなか過ぎないなんて、相乗効果で苦痛がマシマシですよね。

でもまあ、最初の頃はラインのスピードに付いて行くのに必死で、時間が経つのが遅いなんて考える余裕もありませんでした。

私個人としては単純作業はそこまで苦にならないんですが、一方で同僚は精神的にかなりの苦痛だったらしく、「こんな所にいたら気が狂う!」と愚痴っておりました。。。

作業を習得するのが大変

工場内のたいていの仕事は誰にでもできる単純作業ではありますが、しかしそれを所定の時間内に終わらせるとなると、そう簡単ではありません。

例えばワインのコルクを抜く作業で説明してみましょう。

普段ワインの栓を開けることがない人でも、時間をかけて丁寧に栓抜きを回せばコルクを抜くことはできます。
しかしそれを短時間でコルクをちぎらずにきれいに抜くとなると、それなりの練習が必要になります。
1日200本を所定の時間内にミスなく抜けと言われたら、素人にはなかなか難しいことです。

工場の作業も同様に、単純作業とはいえスピードと正確性を同時に求められると、初めからそう簡単にはいきません。
やはり誰でも、体が作業を覚えるまでには時間が掛かりますし、上手くいかずに焦りますしイラつきます。

作業の習得までにかかる時間は、個人の能力差などにも左右されますので一定ではありません。

でも最初の1ヵ月くらいは甘く見てもらえるので安心してください。
タクトタイム内に1つの作業をこなすところから始まって、徐々に2つ、3つと作業を増やしていくことになります。

繁忙期は残業が多くなる

繁忙期は残業時間や休日出勤が多くなります。

期間工に入った当初は「稼げてラッキー」と思ってましたが、1人前に仕事を任されるようになると逆に「アンラッキー」に変わりましたね。

先ほども書きましたが、自動車工場の仕事はきついので残業時間まで働くとヘロヘロになります。

周囲が黙々と働いているので「しんどいのは自分だけなのか!?」と心配になるのですが、残業時間も終盤になるとリリーフマン(お助けマン)が呼ばれる回数がぐっと増えるので、やっぱりみんな疲れてるんだなとホッと(?)しました。

※ちなみに繁忙期といっても、決算時期などある程度予測できるものもありますが、景気の影響などによる不確定要素も多いです。
繁忙期中でも諸事情により急に減産することもありますので、あまり残業をあてにし過ぎないほうがいいです。

夏場の現場の暑さが地獄

期間工の仕事、特にライン作業は常に動き回っているので体温が上がります。

冬場は体が温まって丁度いいのですが、夏場は逆に暑過ぎて地獄です。

エアコンは稼働しているのですが、工場内は広くて天井も高いので十分には室温が下がりません。
その上、安全のために長袖の作業服と作業手袋の着用が義務付けられているので、体内に熱がこもります。(作業服の規定は各工場や持ち場によって違います。)

スポットクーラーなども導入してもらえますが、そもそもラインが流れていくので一瞬しか風が当たらない、、、無いよりはマシだけど。

でも持ち場によっては部品が飛んでいったり作業に支障が出るという理由で、スポットクーラーを使えない所もあるらしいです。
「地獄じゃん、、」と思いましたよね。

交代制勤務で体調が乱れる

期間工は2交代制や3交代制といった、日勤と夜勤が入れ替わる勤務体制が取られている工場がほとんどです。

日勤と夜勤はだいたい1~2週間ほどで交代になりますが、交代してすぐに昼夜逆転の生活に順応するのは難しいです。

寝つきのいい人は交代直後でも布団に入るとすぐに眠れるらしいですが、私には無理でしたね。
私はもともと寝つきが悪いので、眠るまでに時間が掛かるし何度も中途覚醒してしまいます。

まあ、もともと寝つきが悪いってことで、色いろと手持ちの手段はありました。
GABA入り飲料を飲む、酒を飲む、難しい本を読む、眠い音楽を聴く…最終手段は睡眠導入剤を飲むです。(これはさすがに効果てきめんです。)

睡眠不足になると体の疲れが十分に取れませんし、仕事の集中力も低下してしまいます。
各自、何かしら対策は立てておくほうがいいですね。

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ラインの停止は砂漠のオアシス

就業時間中はラインは延々と流れていきますが、何か不具合があった際には緊急停止することもあります。

ラインが停止すると当然みんな「おいおいどうしたー?」とざわつきますが、私は内心(ラッキー♡)と思ってました。(でも多分みんなそう。)

(このままずっと止まっていればいいのに、、)と願うんですが、しかし止まった分のノルマは当然、残業時間や休日出勤で穴埋めすることになります。

そんなことは分かってるんですけどね、まあ分かっていながらそんなことを思っちゃうくらいに、ライン作業ってきついんですよ。

所詮、ラインの停止はオアシスなんかじゃなくて、砂漠をさまよう人が見る陽炎なんですよね。

配置換えはしてもらえる?

私の働いていた工場ではたまに従業員の配置換えがありました。

「○○部署では仕事が合わなかったから、うちのチームに来てもらうことになった。」という説明でした。
すぐに解雇して新しい従業員を入れるよりも、工場内で移動させるほうが効率はいいですよね。

他の工場でも同じような対応がされているのかは、ちょっと分かりません。

もしも配属された持ち場の仕事がどうしても合わない場合は、最終手段として配置変えをお願いするのもありかと思います。(移動先が新たな地獄に変わるだけかもしれませんが。。)

とりあえず1ヵ月は頑張ってみよう!

上にも書きましたが、仕事を覚えるまでは作業スピードに付いて行けなかったり、色々辛いこともあると思います。

しかし、仕事に慣れるまでは誰でもみんな大変です。

今順調に作業している(ように見える)先輩たちにも、悪戦苦闘していた時期があったんです。

私も入ったばかりの頃は「こんな仕事一生できない!(泣)」って程度の能力でしたが、そのうちに手が作業を覚えていくんです。過去の自分がびっくりしてます。
そして作業に必要な筋肉も徐々に体に付いていきますよ。ハハッ。

とりあえず、歯を食いしばって1ヵ月は頑張ってみましょう。

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続けるかどうかはその人次第

私は過去に飲食店でバイトをしていたことがありますが、お店によってはけっこう仕事が大変なとこもあるんですよね。
セッティング・配膳・バッシング・洗い物・清掃・ごみ捨て…
食器の詰まった運搬箱やビール樽を倉庫から運んだり、油や残飯まみれの食器を仕分けしたり、、それらを接客と同時に進めていきます。
当然腰が痛くなることもありますし手荒れもしますし汗もめっちゃかきます。
でもお客さんの前では笑顔でいなきゃいけないし身なりも常に整えないといけない。しかも薄給で。

期間工と飲食店では仕事内容は全然違うし単純に比較はできないけれど、でもどちらがいいかと聞かれたら私は断然、「期間工」と答えますね。(即答。)
労働としてはどちらもク○ですが、でも期間工はきつい仕事に見合った高い給料をもらえますので。

期間工は従業員の入れ替わりが激しいと言いますが、個人的な感想としては思っていたほどではなかったです。

私が所属していたのは30人くらいで編成された工程でしたが、入って最初の1年ほどで、体を痛めて退職した先輩が2名能力不足で解雇された同期が1名ある日突然飛んだ同期が1名、以上の退職者が出ました。
これが多いのか少ないのかは、よく分かりません。

ただ、他の人たちは長期的に働き続けていたので、できる人にはできる仕事ということです。

決して楽な仕事ではない、でもそれに見合った稼ぎのいい仕事ではある、と言っておきます。

 

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